20世紀少年

★★★★★☆☆
(コミックを知っていて、なお楽しめるかという視点での評価)
作品の内容・空気感を踏襲した映画という意味で非常に完成度が高い。
幼少時のキャラクターから大人になった後のキャラクターまで、とりあえず
まずキャスティングにこだわりまくってみましたというところから、場面展開、
全体の謎にあふれた空気感やあっちいってこっちいっての展開が本当に
そのまま。
よくある原作の内容をだいぶカットして詰め込んだためディテールがわかりません
みたいなこともたぶんそれほどなく(マンガを見てなくてそう思った人がいれば、
違います。マンガもあれぐらいの情報量です。)、3部作に分けたことはよかったんだなぁと。
2時間強とかなり長い映画だけどテンポもよく、楽しく見れました。
となるとやはり残念なのはやっぱり物語が謎に満ち溢れた物語なのに
結末を知っていること。忠実なあまり本当に演出の確認作業とキャスティングの
ぜいたくさへの驚きが中心。原作を知らない人の目にはどう映っているんだろう。
浦沢直樹の物語の展開が映画でも通用するのか?みたいなテーマもあるかもしれないが、
この点に関してはアリな気がした。海外ドラマにも似たような雰囲気があり、人の心を
ひきつける術もおそらくうまく映像化できるような気がする。ちょっと意味不明なところや
クライマックスなのに感動がいまいち共有しづらいみたいなこともあるような気もするが
そこのハードルを下げるための全体構成にするとぐっとよくなる気がする。
そういえば最近の海外ドラマは映画制作における著名人などがどんどん入り込んでいる。
日本のドラマにも何か変革は起こりえないものだろうか。
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